理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

第10章「時空と絶対無について」【注解的続編】     天川貴之

 〔注解的続編〕

 

① 現代物理学の世界においても、現象界の宇宙創世は、「無」から始まったと言われている。

 

②「絶対無」は、全てのイデアを包む場所である。

 

③「無」をゼロとしたが、「絶対無」と「無」が違うように、「ゼロ」と「絶対ゼロ」は違う。

「絶対ゼロ次元」とは、全ての次元を包み、創造し、支える源であり、「絶対無」として規定された絶対者の姿、作用である。「無」より生ずる「有」の思想であるとも言える。

 

④ 十次元世界から三次元世界の各次元の構造論は、プロティノスの「一者」を絶対無として位置づけるならば、「一者」(絶対無)より全てが流出してくる(例えば、ヌース界、霊魂界、自然界・物質界)という説にも似ている。

 

⑤ 十次元世界・九次元世界から五次元世界・四次元世界・三次元世界まで、こうした高次元世界から下次元世界が順番に出来たという説はある。

「絶対ゼロ次元」とは、「点」ではなく、全ての次元を包み、支え、働きかけ、創造する「絶対無」としての神仏意識である。

 

⑥ 「無」(絶対無)を思索し、見性すること自体が、哲学的悟りの根本となることである。

 

 (おわり)

 

 

 

 

 

  by 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)

 

 

 

 

 

 

第10章「時空と絶対無について」第9節(2)       天川貴之

 第9節 新時代の叡智的リーダーシップについて(2)

 

 本当の叡智の立場に立って観ずるならば、すべてのすべては、これ理念である。絶対理念である。そして、すべてのすべてが、真、善、美、聖の価値に輝いて観えてくる。

 そのような無の場所というものを、地球という所に創るという観点から、私達は、新時代の民族問題も考えてゆかなければならないし、様々な「個と全体」という問題、「統合と個性の開花」という問題を考えてゆかなければならない。

 それを示唆する中心の立場は、「無」である。絶対無であり、アルクトゥールスである。本源的無の叡智をもって、これより後のあらゆる時間、空間を、光明荘厳化してゆくこと、それが、新時代の叡智的リーダーシップである。

 新時代の叡智的リーダーは、すべてのすべてを包括する平等愛の意識に立ちながら、同時に、秩序愛の立場に立つこと。平等知の立場に立ちながら、同時に差別知ともいうが、秩序知の立場に立つこと。これ、絶対愛、絶対知の境地である。そして、そのすべてが、一大光明芸術として達観されること。それが絶対光明である。

 絶対知、絶対愛、絶対光明。そして、そのすべてを包括する所の「無」の立場に、深く、深く、深く、身を置き、本当の愛というものを、太陽の如き心で、月の如き心で、そしてまた、地球の如き心で、輝かせてゆきたいと念願する。

 

  (つづく)

 

 

 

 

  by 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)

 

第10章「時空と絶対無について」第9節(1)       天川貴之

 第9節 新時代の叡智的リーダーシップについて(1)

 

 真理を悟ったならば、偽りを捨て真理につき、善いものを悟ったならば、悪いものを捨てて善いものにつき、美なるものを悟ったならば、醜いものを捨てて美につき、そして、神聖なるものを悟ったならば、俗悪なるものを捨てて神聖なるものにつくこと。

 そのように、光一元の方向性、本来闇なし、光のみ実在という「かくあるべし」の方向性というものが大切である。

 その方向性は、秩序の思想の具体化である。すべてを平等に愛しながら、価値を認めながら、同時に、秩序という光一元の方向性を打ち出してゆくこと。これが、新時代の地球という場を考える時に、大切な観点であり、哲学であろうかと思う。

 三次元世界というものは、大切な世界である。三次元世界がなければ、三次元経験、三次元時間、空間はない。三次元でしか起こり得ない現象はあり得ない。

 その意味において、三次元即浄土であり、三次元即光明荘厳であり、神の国そのものである。

 それがまた、四次元、五次元、六次元、七次元、八次元、九次元、十次元、それ以降の世界すべてに言えることである。

 

 (つづく)

 

 

 

 

  by 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)