第9章「経験と叡智的直観について」第9節(3) 天川貴之
第九節 統合哲学の時代(3)
「叡智的直観」を尊重し、その上で、「論理性」を尊重し、その上で、知識を尊重し、経験を尊重し、あらゆる認識の基盤を尊重すること、そこから、本当のトータルな包括的哲学体系が生まれるのである。
単なる経験論でもなく、単なる合理論でもなく、単なる感性論でもなく、単なる直観論でもないところの包括的哲学の立場というものが、そこから生まれるのである。人間は、人生は、世界は、すべてこのような態度で臨まなければならない。
人間の源には哲学があり、哲学は、本来、万人が持つべき態度である。持つべき素養である。
これがなければ、人生を知ることも、世界を知ることも、そして、新時代を知ることもできない。
(つづく)
by 天川貴之