理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

第9章「経験と叡智的直観について」第9節(4)    天川貴之

 第9節 統合哲学の時代(4)

 

 このような総合哲学、統合哲学を、新時代の立場として明らかに表明し、そして、新時代に至る源となったところの様々な哲学体系をすべて尊重し、その中の良いところを汲み出し、教訓と功罪両面を汲み出し、整理統合し、更に、あらゆる仏教や、キリスト教や、日本神道や、様々な宗教を統合し、更に、芸術も統合し、様々なありとしあらゆる人間の営みを統合し、科学をも統合し、新しき統合叡智の時代を迎えてゆかなければならない。

 新時代の精神は、全き叡智の時代である。全き理性の時代である。それは、取りも直さず、全き絶対精神を有する人間の時代であるのである。

 人間は、その本質において叡智的存在であり、叡智的実在であり、そして、叡智的実在が、内なる真理を叡智の結晶として育んでゆくところに人生の使命がある。

 それを、人間の使命とし、哲学者の使命とし、永遠普遍なるテーマとして尊敬し、我々は、限りなく柔軟に、ありとしあらゆる叡智を学び、究め、そして、自らの内なる叡智の結晶を、限りなく大きくしてゆくことである。

 その叡智の結晶こそが、その人の人生の宝物であろう。

 

(おわり)

 

 

 

 

 by 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)