理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

第10章「時空と絶対無について」第5節(1)       天川貴之

 第5節 絶対創造の意識としての「無」(1)

 

 光が様々な現象を創っているということは真実である。そして、光は「無」から生まれたということも、また真実である。

 あらゆる光の源にあるものは、「無」である。この「無」から光が生まれた。この光が様々な次元に分かれ、無数無限なる個性に分かれているのが、ありとしあらゆる現象である。

 それを喩えるならば、十次元、九次元、八次元、七次元、六次元、五次元、四次元、三次元というふうに表わすこともできる。そのような空間として表わすこともできる。また、過去、現在、未来という時間で表わすこともできる。それを、オールド・エイジ、ニュー・エイジという言葉で現すこともできる。

 しかし、あらゆる次元を超えて、あらゆる時間の流れを超えて、永遠普遍なる源というものは存在する。

 あらゆる光の源であるところの無は、あらゆる限定を超越する。そして、あらゆるものをその奥に包み、包含する。であるから、見えない。「無」である。

 見えるものは限定がかかっているものであり、感じ取れるものは限定がかかっているものであり、限りなく「純粋光」というものは、見えなくなってゆく。色彩がなくなるのである。

 でありながら、すべての色彩をその内に宿している。すべての色彩をその内に宿しているから、純粋であり、無になるのである。

 その無から、あらゆる次元のものが生まれていくのである。

 

(つづく)

 

 

 

 

  by 天川貴之

(JDR総合研究所・代表)