第10章「時空と絶対無について」第5節(3) 天川貴之
第5節 絶対創造の意識としての「無」(3)
宇宙は生まれたものである。それは、無が自己実現したものである。
宇宙が宇宙として存在するのは、無があるからである。中心があるからである。
無が無として機能しているからこそ、現象は消えずに残る。無がなければ、現象の存立基盤がなくなる。
この現象というものにも次元構造がある。私達が三次元存在として五感で認識し得る、縦、横、高さのある物体のみを現象というのではない。
ヘーゲルの精神現象学という言葉があるが、精神における現象というものもある。
即ち、三次元現象、四次元現象、五次元現象、六次元現象、七次元現象、八次元現象、九次元現象、十次元現象、そのような形で現象が展開するのが多次元宇宙である。
あらゆる次元に、それぞれの時間と空間がある。そして、現象として展開しているものである。
(つづく)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)