第10章「時空と絶対無について」【注解的続編】 天川貴之
〔注解的続編〕
① 現代物理学の世界においても、現象界の宇宙創世は、「無」から始まったと言われている。
②「絶対無」は、全てのイデアを包む場所である。
③「無」をゼロとしたが、「絶対無」と「無」が違うように、「ゼロ」と「絶対ゼロ」は違う。
「絶対ゼロ次元」とは、全ての次元を包み、創造し、支える源であり、「絶対無」として規定された絶対者の姿、作用である。「無」より生ずる「有」の思想であるとも言える。
④ 十次元世界から三次元世界の各次元の構造論は、プロティノスの「一者」を絶対無として位置づけるならば、「一者」(絶対無)より全てが流出してくる(例えば、ヌース界、霊魂界、自然界・物質界)という説にも似ている。
⑤ 十次元世界・九次元世界から五次元世界・四次元世界・三次元世界まで、こうした高次元世界から下次元世界が順番に出来たという説はある。
「絶対ゼロ次元」とは、「点」ではなく、全ての次元を包み、支え、働きかけ、創造する「絶対無」としての神仏意識である。
⑥ 「無」(絶対無)を思索し、見性すること自体が、哲学的悟りの根本となることである。
(おわり)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)