理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

2020-07-01から1ヶ月間の記事一覧

第8章「現象と理念美について」(7) 天川貴之

第6節 芸術美の本質について 次に、芸術美について考察してゆきたい。一般に、芸術の本質は美の表現にあるといえる。では、美とはどこにあるものなのであろうか。 前述のとおり、究極の美とは、理念の顕れであり、究極の美とは、絶対者そのものである。 故…

第8章「現象と理念美について」(6) 天川貴之

第5節 理念美の段階性と個性の多様性について そして、この美にも段階の違いがあるといえるのであり、それは、理念に段階があるのと同じである。 本来の理念とは、絶対者そのものであり、真理そのものであるといえるが、同時に、理念にも顕現レベルに差があ…

第8章「現象と理念美について」(5) 天川貴之

第4節 エマソン哲学と理念認識について(2) そして、科学者は、一見、自然の現象を解明しているようにみえて、実はそうではないのである。 自然界の「法則」を発見するということは、現象の奥にある理念そのもの、絶対者そのものを認識することを本質とし…

第8章「現象と理念美について」(4) 天川貴之

第4節 エマソン哲学と理念認識について(1) 近代ロマン主義の芸術的思想家にエマソンがいる。彼は、何よりも自然に美を見い出し、高度な精神性を見い出している。 彼の思想の中においては、自然を、絶対者の象徴と把握している。そして、自然の象徴を解読…