理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

2020-08-01から1ヶ月間の記事一覧

第8章「現象と理念美について」(12) 天川貴之

第10節 無限なる理念美へと飛翔し、表現せよ これまで、自然美と芸術美について考察してきたが、共にその根底にあるものが理念美であるという点において、またそれが、絶対者の美であるという点において一致している。 いうまでもなく、自然とは絶対者が創ら…

第8章「現象と理念美について」(11) 天川貴之

第9節 一見「美」の形式を崩した芸術の美について(2) では、これらの芸術観と理念芸術観は矛盾するのであろうか。 私は、そうではないと考える。 人生の本質も世界の本質も、「本質」であるという点において理念に入るので、これらの芸術もまた、理念芸…

第8章「現象と理念美について」(10) 天川貴之

第9節 一見「美」の形式を崩した芸術の美について(1) 以上、芸術の理念美について述べてきたが、芸術の中には、一見「美」の形式を崩したような美があるということについても探究しておきたい。 特に、現代芸術においてその傾向が多いが、その中には、一…

第8章「現象と理念美について」(9) 天川貴之

第8節 あらゆる芸術の頂点としての理念美について そして、同一の理念美を、絵画を通しても、彫刻を通しても、また音楽を通しても表現できるということは、絵画も彫刻も音楽も、同一のものの異なった顕れであるということができるのである。 故に、すべての…

第8章「現象と理念美について」(8) 天川貴之

第7節 芸術家の理念の輝きの段階性と多様性について このように、理念美というものは、芸術が究極において追究しているものである。 そして、前述したように、理念美にも、究極の理念美を頂点として、段階性と個性の多様性があるものであり、それを認識する…