理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

2020-09-01から1ヶ月間の記事一覧

第9章「経験と叡智的直観について」(2)    天川貴之

第2節 理性の働きについて 西洋の哲学においては、この理性の働きというものに着眼した初めての方は、プラトンであると言えるのである。 すなわち、真実なる理性的認識の大切さというものを、その眼目を説いた方は、プラトンであり、プラトンから哲学が始ま…

第9章「経験と叡智的直観について」(1)    天川貴之

第1節 真理の認識方法について 経験と叡智的直観について論じてゆきたい。 この地上で数多くの経験を積み、そして、その中で数多くの教訓を掴み、そして、それを真理として認識し、それを多くの方々に伝えてゆくということが、一般の社会で言われている真理…

第8章「現象と理念美について」(14) 天川貴之

【注解的続編】(2) ④ 精神の内奥なる理念美の顕現とは、いわば芸術的悟りであるといえる。 故に、悟りに多様なる境地と段階的階梯があるように、芸術的悟りにも、多様なる境地と段階的階梯があるといえるのである。 ⑤ こうした理念美の段階説は、プロティ…

第8章「現象と理念美について」(13) 天川貴之

〔注解的続編〕(1) ① 理念哲学の代表として挙げているプラトンやヘーゲルの哲学においても、自然の奥なる精神性、理念は、充分に探究されているとはいえない。 その中にあって、エマソンは、自然の奥に積極的に精神性、理念を認めているといえよう。 例え…