理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

2021-04-01から1ヶ月間の記事一覧

第10章「時空と絶対無について」第5節(1)       天川貴之

第5節 絶対創造の意識としての「無」(1) 光が様々な現象を創っているということは真実である。そして、光は「無」から生まれたということも、また真実である。 あらゆる光の源にあるものは、「無」である。この「無」から光が生まれた。この光が様々な次…

第10章「時空と絶対無について」第4節(2)       天川貴之

第4節 「無」の本質について(2) すべてのすべてである、「無」。 「無」であるということは、「有」としてのあらゆる限定をはずしたということである。あらゆる個性的限定をはずすと、あらゆる個性を超えた「無」になる。 Aという立場も、Aという立場…

第10章「時空と絶対無について」第4節(1)       天川貴之

第4節 「無」の本質について (1) ところで、この「ゼロ」というものは、如何なる本質を持っているのかということを考えた時に、これは、時間もまた無であり、空間もまた無である所の「場所」である。 そして、時間の本質と、空間の本質を真に洞察し、そ…

第10章「時空と絶対無について」第3節        天川貴之

第3節 宗教の立場から「無」を探究する 更に、宗教で言われる所の「無」もまた同じであり、時間論、空間論もまた、宗教の本質であり、特に、それが仏教において、思想的に深く広く出ているように思う。 仏教でいう所の「諸行無常」という真理は、すべての現…

第10章「時空と絶対無について」第2節(2)     天川貴之

第2節 科学の立場から「無」を探究する(2) 科学の世界で問題にされるところの時間論、空間論もまた、哲学で問題にされるところの時間論、空間論と同じである。 一般に、科学は現象を対象とするものであり、哲学は実在に始まる理念を対象とするものである…