理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

2020-05-01から1ヶ月間の記事一覧

第7章「知識と叡智について」(11)天川貴之

〔注解的続編〕(1) ① ショーペンハウアーの『思索』や『読書について』などの思索的断片は、主著の『意志と表象としての世界』以上に広く読まれたが、それは、ショーペンハウアーが知恵の段階にある哲学者であり、実践哲学の知恵に長けていたためであろう…

第7章「知識と叡智について」(10) 天川貴之

第10節 新時代を「叡智の結晶」として建設せよ 以上、論じてきたように、知の究極には、知識を超えて、知恵を超えて、叡智が実在するのである。 現代の知識社会を、新時代にむけて、より高度な知の社会へと変革してゆくためには、知恵の価値認識、そして何…

第7章「知識と叡智について」(9) 天川貴之

第9節 叡智を獲得する方法について 第三に、叡智についてである。まず、新しい時代精神を探究してゆくのであるから、今の時代において、当然のこととして前提となっている思想潮流を根源的に問い直してゆくことが大切である。 そして、今後、何百年、何千年…

第7章「知識と叡智について」(8)

第8節 知恵を獲得する方法について 第二に、知恵についてである。一定量の読書をして、ある程度知識的前提が出来たならば、今度は、多読を控えて、自分自身の頭で思索する習慣をつけてゆくことが大切である。 読書をすることは、いわば、受け身な形で著者の…

第7章「知識と叡智について」(7)

第7節 知識を獲得する方法について さて、そこで、こうした知性を獲得する方法についても述べておきたい。 まず第一に、知識についてであるが、始めに、孤独な時間を確保してゆくことが大切である。 独り静かに読書に没頭できるようなライフスタイルをつく…