第7章「知識と叡智について」(10) 天川貴之
第10節 新時代を「叡智の結晶」として建設せよ
以上、論じてきたように、知の究極には、知識を超えて、知恵を超えて、叡智が実在するのである。
現代の知識社会を、新時代にむけて、より高度な知の社会へと変革してゆくためには、知恵の価値認識、そして何よりも、叡智の価値認識がなされる時代とならなければならない。
そして、すべての方々が叡智を学ぶことによって、人格を向上させ、徳を向上させ、自己の内に叡智の結晶を育み、社会全体に、叡智により導かれた理念を実現してゆかなければならない。
これより、真なる叡智の認識の学である哲学がその本来の姿をとり戻し、叡智の光を全放射して、全人類、全世界を光輝かせ、素晴らしい新時代を、「叡智の結晶」として建設してゆくのである。
(つづく)