理念哲学講義録  天川貴之

真善美聖の「理念哲学」の核心を、様々な哲学的テーマに基づいて、わかりやすく講義したものです。

第7章「知識と叡智について」(7)

 第7節  知識を獲得する方法について

 

 さて、そこで、こうした知性を獲得する方法についても述べておきたい。

 まず第一に、知識についてであるが、始めに、孤独な時間を確保してゆくことが大切である。

 独り静かに読書に没頭できるようなライフスタイルをつくることが、知的生活の必要条件なのである。

 そして、幅広く読書を重ねてゆくことが大切である。それが一定量に達すると、蓄積効果が現れ、知識が深まり、大いなる質に転換してゆくのである。

 特に、読書の際は、ベストセラーなどの流行を追いかけてゆくよりは、古典的良書と雑書とを区別し、古典的良書をじっくりと読んでゆくのがよい。

 それも、くりかえしくりかえし読むことによって、その内容を深い所まで理解することが大切であろう。

 まさしく、古典的良書とは、読めども読めども飽きがこなく、読む程に味わいが増してゆくものである。

 さらには、知識を常々よく整理することを心がけ、いつでもその知識を自由自在に使えるようにしておくことが大切である。

 同じく読書を積んでも、整理しておかないと、自分自身で主体的に使えるようにならないばかりか、知識的に混乱してゆくからである。

 よく整理された知識程、よく使うことができるのである。

 

(つづく)