第5章「唯物学術と理念学術について」(17)
【注解的続編】(11)
十五、「新時代の学問潮流について」
二十世紀思想の潮流となっているものは、ニーチェ、マルクス、フロイト、ダーウィン、それにつけ加えて、「プラグマティズム」「自由主義」であるというのが通説である。
我々は、まず、理念哲学によって、理念を否定したニーチェ哲学をさらに否定することによって、絶対肯定の理念哲学を獲得し、同じく理念を否定したマルクス経済学を否定することによって、絶対肯定の理念経済学を獲得し、さらに、理念を否定したフロイト心理学をさらに否定することによって、絶対肯定の理念心理学を獲得し、理念を否定したダーウィン進化論を否定し、絶対肯定の理念進化論(理念生物学)を獲得し、また、理念を目的とせず、手段としたプラグマティズムに対して、主従を逆転させ、理念を目的とした、手段としてプラグマティズムを位置づけ、「理念の革命」を見事に成就し、近代を「正」、現代を「反」とした、否定の否定たる絶対肯定の「合」の文化、「合」の文明、「合」の理想郷を実現してゆかなくてはならないのである。
(おわり)