厭世観と楽天観について論じてゆきたい。
これは、人生の本質、世界の本質を、根本的にいかに洞察するかという点において、異なった観方が生じてくるというものである。
厭世観においては、人生の暗い面、世界の暗い面が強調されて洞察されているし、楽天観においては、人生の明るい面、世界の明るい面が強調されて洞察されているといえよう。
実際の人生においても、世界においても、明るい面と暗い面の両方があるといえるが、どちらの方がより本質的であるかということが、哲学上の課題となっているのである。
そして、人生の根底にあるもの、世界の根底にあるものの洞察が、その背景にあるといってよい。
(つづく)