第10章「時空と絶対無について」第6節(1) 天川貴之
第6節 絶対肯定の意識としての「無」(1)
統合叡智というものは、広義の哲学というものは、その現象の奥に理念を見い出すこと、真理を見い出すこと、価値を見い出すことである。
何故、現象が現象としてあるのかという本源的なる問いに答えること、それが真理である。であるから、現象は、どこの次元にあるものでも素材である。
「宇宙の理法」という真如は、三次元世界にすでにある。三次元世界にある物質、物体の中で、法則の下にないものは一つたりともない。
すべては法則の下にあり、すべては法則を体現し、応化し、顕われているものであり、その意味において、すべてがロゴスである。
三次元存在を三次元現象として観るだけでは、それは、ただ単なる現象であり、物体、物質であるが、叡智の観点から「法則」として観た時に、そこに、三次元にしかない法則があるのである。三次元にしかない真理があるのである。三次元にしかない叡智があるのである。三次元にしかない、真、善、美、聖、あらゆる価値があるのである。
(つづく)
by 天川貴之
(JDR総合研究所・代表)