第9章「経験と叡智的直観について」第5節(2) 天川貴之
真に人類の叡智を進化させる源となったものは、よくよく洞察してみれば、「直観」によって把握された真理の結論であるわけである。
「天才」というものの本質は、直観力にある。新時代の精神を直観的に把握するところから、新時代は始まってゆく。
新時代の精神、もしくは、世界の精神というもの、また、人生の精神というもの、様々な形で現れた真理というものをまず直観すること、そして、それを翻訳するために、論理的に思索してゆくこと、ロゴスを直観し、そして、そのロゴスを実現してゆくこと、ロゴスを直観的に認識し、それを、言葉という論理で説明し、一つの体系を構築してゆくこと、これが、哲学の仕事ではないかと思う。
この「直観」と「論理」というものを突き詰めたところに、合理論の本質があると言える。
(つづく)
by 天川貴之