第9章「経験と叡智的直観について」第8節(2) 天川貴之
第8節 叡智的直観について(2)
真理が観える、理念が観えるということは、悟りがあるということである。
統合的理性は、内なる叡智は、外なる叡智を見抜く。内なる真理は、外なる真理を認識する。
相互作用という科学の言葉があるが、真理は真理と相互作用するのである。同通という科学の言葉があるが、真理は真理に同通するのである。理念は理念に同通するのである。理性は理性に同通するのである。これを、本当の知るということと言える。
即ち、解らないというのは、これは逆に考えれば、真理に同通していないということでもある。
解らないから出発し、本当だとも言わず、嘘だとも言わず、そのような謙虚な立場から出発し、無知の知から出発しながらも、心を白紙にした状態から出発しながらも、知を、理念を、如何に深く、高く、広く直観し、それを、今度は論理的に説明し、更に、経験に応用して実証してゆくことができるかということを考えなければならない。
(つづく)
by 天川貴之